在留資格を除けば、採用や労務管理において外国人従業員と日本人従業員に大きな差はありません。
しかし、やはり外国人であるがゆえに注意すべきポイントがあります。
今回は募集の際に注意すべきポイントを簡単に説明します。
- 基本的には日本人従業員と変わらないが、厚生労働省が示した指針を参考にするのがおすすめ。
- 雇用契約の締結に先だって労働条件の通知(労働基準法15条1項、指針)
- 労働条件通知書等を書面またはメールで交付する必要あり
内容(指針)
当該外国人が採用後に従事すべき業務の内容及び賃金 労働時間 就業の場所 労働契約の期間 労働・社会保険関係法令の適用に関する事項
・渡航費用、住居 特に、募集に応じ労働者になろうとする外国人が国外に居住している場合にあっては、来日後に、募集条件に係る相互の理解の齟齬等から労使間のトラブル等が生じることのないよう、事業主による渡航費用の負担、住居の確保等の募集条件の詳細について、あらかじめ明確にするよう努めること(指針)
・事業主は、外国人労働者との労働契約の締結に際し、賃金、労働時間等主要な労働条件について、当該外国人労働者が理解できるようその内容を明らかにした書面を交付すること(指針)
指針に従わない場合のリスク(明示した労働条件を事業主が守らなかった場合)
- 労働者は契約を解除可能(労働基準法15条2項)
- 外国人が就労の為に日本に転居したが2週間以内に帰郷する場合、その旅費を負担する必要あり(同条3項) ・労働条件通知書に記載された内容を前提とした未払賃金等の請求
●外国語の労働条件通知書(厚生労働省) 外国人労働者向けモデル労働条件通知書(H29/2) (英語)(中国語)(韓国語)(ポルトガル語)(スペイン語)(タガログ語)(インドネシア語)(ベトナム語)
<参考文献等>
- 外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針(厚生労働省)
- 杉田昌平「改正入管法対応 外国人材受入れガイドブック」ぎょうせい